懐かしさの彼方へ


初めての治療を終えた患者さんが

 

硬結に鍼が触れた時の独特な感覚について


「懐かしい、いたみでした」・・・と

 

おっしゃいました。

 

「痛み」・・・ではなく

 

「傷み」・・・でもない

 

「懐かしい、いたみ」  だと。

 

鍼は懐かしさの彼方へ向かう為のツールです。

 

少年から大人へ


3年前のことです。

赤ん坊の頃から週に一度のペースで治療してきた15才の少年の背中に

初めてストレスを見ました。

お母様にうかがうと、高校進学のことで決意する事があったようです。

その決意と共にストレスも背負ったという事でしょう。

「ああ・・・大人になるんだね」

そう思った私の中には嬉しさと、少しの哀しみもあったように思います。

彼の背中に打つ鍼も、子供に打つ鍼から大人に打つ鍼に

自然に変わりました。

少年が大人になる瞬間に立ち会えたその日の治療は

感慨深いものになりました。


体が自分と言えますか?

 

 前回のブログの患者さんと初診の頃の会話です。


「自分の体が自分だと言えますか?」

 

 そうお尋ねしたところ

 

「?・・・『体は体、私は私』・・・でしょうか  ?・・・


 ・・・松田さんは言えるんですか?」

 

 私「はい、言えますよ・・・私の体が私で、それ以外無いと思いますが」(笑)


 「・・・そうですね・・・(笑) 

 

 こんな感じのスタートでした。・・・

 

 

 

 

スタートライン


鍼を始めて一年になる患者さんから

微笑みながら告げられました・・・

「一年かかりました」・・・と。

鍼を一年受けてやっと、自分の体には

治療が必要だと思えたということでした。

ご自分の体に向きあったということでしょう。

「そこがスタートラインです」

「治療開始ですね。おめでとうございます」(笑)

そうお答えしました。

ハリチク


 

 20年前

 

4才の男の子に問われました

 

「おいちゃん! ハリチク(鍼)で勝ったことあるか?」

 

 「一度もないなぁ・・・」と私

 

男の子「ふ~ん・・・」

 

大きな問いでした・・・


子供はいつも先生です